コロナ死者の平均年齢は全死因死者より2歳上


2022年: 死亡時平均年齢はコロナ死者が全死因死者より3歳上


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グラフは日本人の主な死因及びコロナ死者の平均年齢を推計したものです。横軸は2009年1月から月ごとに2022年12月末までで、7月までが表示されています。縦軸は月ごとの死因別の平均年齢を示しています。

結論から言いますと、2022年1〜7月、第6波以降の死者の平均年齢の推計は、上記のようになっており、コロナ死者の方が平均より3歳以上長生きという結果となりました。

よくコロナ死の平均年齢と平均寿命とが比較されますが、平均寿命は 0歳時の平均的な余命、これから何年生きるだろうかと推測したもので、実測値である死者の平均年齢とは別物です。

上のグラフでは全死因死者年齢の平均値と、コロナ死者年齢の平均値を「推計」して比較できるようになっています。2020年から2022年までは、年ごとの推計値も載せています。「推計」ではあるのですが、元データはどちらも厚労省が出している同じファイルにあるところがミソです。真の値と誤差はあっても、大小関係は変らないと考えています。

月ごとに見ていくとコロナ死者の平均年齢は、2020年から2021年3月までは全死因死者の平均年齢近辺でした。2021年4月〜12月まで全死因死者の平均年齢を連続で下回っていました。しかしその後、2022年になってからは7ヶ月連続で上回っています。

年ごとに見ていくとコロナ死者の平均年齢は、2020年と2022年に全死因死者の平均年齢を上回っています。


ヒトの死の流れ


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一旦コロナのことは置いておいて、このグラフを描いてみて興味深いと感じたのは、主な死因での平均年齢は、12年間、順位の入れ代りが一度たりとも発生していないことです。あくまで平均的な話ですが、人の死とは上に書いたような流れなのだと解釈しました。

コロナの話に戻しますと、2022年コロナ死者は呼吸器系疾患死者とほとんど同じ年齢となっています。癌や循環器系疾患で亡くならずに済んだ方が呼吸器系疾患またはコロナで亡くなっているのでは無いでしょうか。

どちらにせよ、長生きなさった方が寿命を全うされて、コロナ死とされているのだと思います。こう書くと「若者だってコロナで亡くなっている!」と批難されていますが、それは他の死因でも同じです。どんな疾患であっても、割合いは低いですが、若い方が亡くなることがあります。


ヒトの死と医療逼迫

以上、ヒトの死というものを多角的に見てきました。ヒトはこれまでも様々な要因で亡くなってきました。コロナで亡くなるということが増えたとしても他疾患での死者の方が多くなっています。つまり死に至る前の重症者が増えたとしても、コロナの重症者がインフルエンザや肺炎などの呼吸器系疾患での重症者と比べても大きな逼迫の要因とはなり得ません。ましてや循環器系疾患や癌の死者も含めると、より一層、逼迫の原因にはなりません。

医療が逼迫するとすれば、それは医療体制の問題であり、社会活動を制限して解決してよい問題ではありません。無理にしようとすると、若者の生活基盤や学習環境が破壊され自殺など他の要因で亡くなります。

もう二度と感染症対策と称して社会活動を制限することが無いことを望みます。


(参考) インフルエンザ死者の平均年齢も高かったが、月によっては低いことも


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インフルエンザの死者の平均年齢も見てみましょう。横軸は2009年1月から月ごとに2022年12月末までを示し、縦軸は月ごとの死因別の平均年齢を示しています。

2020年以降はほとんど流行っていないので、年間推計は2015〜2019年の期間としました。グラフは日本人の主な死因及びインフルエンザ死者の平均年齢を推計したものです。横軸は2009年1月から月ごとに2022年12月末までを示し、縦軸は月ごとの死因別の平均年齢を示しています。

2019年の死者の場合だと、

となっており、インフル死者の平均年齢の方が高くなっています。

しかし2016年は逆に

となっており、インフル死者の平均年齢の方が低くなっています。

コロナ死者の統計とは異り、月ごとでみてもインフル死者平均年齢が極端に下がっている月が散見されます。これはその月に死者が少なかったので統計上のブレが大きいのでは無いかと思いますが、それでも若い方の死者が多かった月もあったのだと推測できます。