行動制限に効果はあったのか?
駅の人流と新規陽性者の傾向にほぼ相関無し
- 行動制限と新規陽性者・死者に関連性は無かったという論文は出ている
- 駅の人流と新規陽性者、日本・東京・大阪は相関無し、沖縄は弱い正の相関
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マスクと共に実施された自粛、すなわち行動制限に効果はあったのでしょうか? 行動制限により新規陽性者・死者に関連性は無かったという論文は出ています。[1][2][3]
ここでは Google が提供する人流データを用いて、その時期、駅や住宅街に人が多かったのか少なかったのか、というグラフと陽性者や死者のグラフを重ね合せてみます。グラフは横軸が日ごとの時間推移で、2020年1月からまん延防止等重点措置があった2022年3月までを示しています。縦軸には二つの値をプロットしており、青い線が駅の人流(%)で、朱色が人口当りの新規陽性者数です。例として日本、東京、大阪、沖繩を取り上げます。
まず、緊急自体宣言やまん延防止等重点措置により行動制限をしましたが、感染の波は起こり、波が高くなっていたことが分ります。オリンピックを開催するしないで揉めていた2021年6月ごろの第5波より2022年1月からの第6派やそれが下がり切らないうちに始まった2022年7月からの第7派の方がずっと高くなっています。そして下がったといっても、もはや第5派のピークを超えるようになりました。
行動制限と感染の波には関連性があるのでしょうか? 詳しく見ていきます。
r で示している数値は相関係数です。r が -0.2 から 0.2 の範囲にあるときは、相関が無いと見做せますので、日本、東京、大阪には相関が無く、沖縄には弱い正の相関があるといえます。
駅の人流と死者の傾向にほぼ相関無し
- ただし沖縄以外は全部マイナスであることが気になる(次ページ参照)
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次に図に駅の人流を青い線で示しているのは同じですがが、朱色を死者としたグラフを示します。二つの値に相関は無しと出てるのですが、沖縄以外は全部マイナスの値であることが気になります。
といいますのは、次の図を見て下さい。
住宅街の人流と死者の傾向に相関無しだが……
- r=0.03〜0.20と相関無しだが、全部プラス
- 仮に相関があるとすると家に居た方が死者が増える傾向にある
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朱色が死者なのは同じですが、青い線は住宅地の人流、つまりどのくらい人が家かその付近にいたかを示しています。
二つの値に相関があると、家に居た方(ステイホーム)が死者が増える傾向であることを示します。相関無しとはやはり出てるのですが、こちらは全てプラスになっています。駅の人流とは逆の結果になるであろうことは容易に想像できるのですが、駅の人流より住宅街の方が値が大きくて値がプラスになってしまうのは、何かあるのではと疑わざるを得ません。
まとめると、行動制限が新規陽性者や死者にグラフを見る限り関連があったとはいえません。また死者に関しては気になる結果が出ています。
皆さんも御自身で考えてみて下さい。
参考文献
- BERRY, Christopher R., et al. Evaluating the effects of shelter-in-place policies during the COVID-19 pandemic. Proceedings of the National Academy of Sciences, 2021, 118.15.
- KANDASAMY, Ambika, et al. A LITERATURE REVIEW AND META-ANALYSIS OF THE EFFECTS OF LOCKDOWNS ON COVID-19 MORTALITY-II. 2021.
- HERBY, Jonas; JONUNG, Lars; HANKE, Steve. A literature review and meta-analysis of the effects of lockdowns on COVID-19 mortality-II. 2022.