ヒトはどのくらい亡くなるのか


ヒトはどのくらい亡くなるのか概算

そもそもヒトは一般的に年間で、または日ごとにどのくらい亡くなるでしょうか? ここから考えてみましょう。

まず答えを確認する前に、概算してみましょう。こういった概算は大変重要だと筆者は考えています。ヒトの寿命は日本だと 80年くらいですが、計算を簡単にするため100年とします。更に計算が簡単になるように、毎年生まれてくるヒトの数は同じで、100歳になったら必ず死ぬと仮定します。そうすると 0〜99歳まで、どの年齢も同じで人口で、100歳になった瞬間亡くなるという世界になります。ヒトの年間死亡率は 1/100、つまり100人に一人亡くなると簡単に計算できます。

もちろん現実世界では世代ごとの人口は違うし、皆同じ歳で亡くなったりしないし、長生きする人も若くして亡くなる方もいます。しかし亡くなる方は圧倒的に高齢者なのでこの概算と大きく違う結果にはなりません。

年間100人中一人亡くなりそうということは、1000人中なら10人。100万人中なら 1万人。日ごとなら100万人中30人ということになります。30かける365が大体1万ということです。1日100万人30人なので、1億人なら3000人。この概算をしっかり把握して世の中で起こっていることを見ていくというのはとても大事なことだと思います。私見ですが、このことを肌感覚として把握できてない方が多いことがコロナ対策禍の元凶の一つの気がしてなりません。理系であったり数学に強い人、情報系の大学の教授も含め全然把握していないのを見てきました。


日本、英国、スウェーデン、ブルガリアの死者

1000人当り死亡率 2019 2020 増分
日本11.111.10
英国9.010.41.4
スウェーデン8.69.50.9
ブルガリア15.518.02.5


[PDF] [画像] [MedicalFacts.info]

日本の実際の数値としては、日本は1000人中11人くらい、日ごと100万人当り30人くらい亡くなります。冬はヒトが多く亡くなる時期であり、日ごと100万人当り40人くらいになります。

世界の実際の全死因死者データを見ていきましょう。例として、日本、英国、スウェーデン、ブルガリアを取上げます。グラフは横軸が2015年から現在までの日ごとの時間推移で、縦軸が人口あたり日ごとの全死因死者数(青)です。水色の領域は2015年から2019年までの全死因死者の最大と最小の範囲で、水色の領域より青のグラフが上にあれば、例年より多くの方が亡くなったことを示します。下の赤い点線は新型コロナ死者です。

大きな被害を出した英国で全死因死者がコロナで増えています。9人の死者が10人かもう少し多くなっています。グラフには載せていませんが、米国も大体同じような数値になっています。スウェーデンのグラフも載せていますが、スウェーデンは英国ほどの死者増はありませんでした。

筆者は、スウェーデンと比べたら気候が同じ英国での死者が多いのは過剰対応で全死因死者が増えたためだと思っています。ただし証拠はありません。違いとして人口密度を上げる方がいますが、根拠が薄いと感じています。ともかく英国では毎年1000人あたり9人亡くなっていたところが、1人か2人死者が増えて 10人か11人になったくらいの出来事です。

世界トップクラスの死者を出したブルガリアは 1000人中15人の死者だったところがコロナで 3人増えて18人になっています。ペルーの方がコロナ死者は多いのですが、ペルーの全死因死者のデータを見付けられておらず、ペルーに近いコロナ死者を出したブルガリアを取り上げています。本筋とは関係ありませんが、元から 15人というのは世界最高レベルで、月に換算すると40人くらいとなり、日本以上に高齢化が進んでいることも示しています。

日本の被害はやはり少なく、年間1000人中の死者という観点からだと 2019年 11人、2020年 11人と変化ありませんでした。仮定の話ですが日本で1000人中死者が3人増えるとどうなるのでしょうか?

その前に1000人中11人が亡くなることで周りで何が起きているか身の周りの例を考えます。筆者が一番意識するのは、年間で喪中ハガキを2〜3枚貰うということです。これは次のように説明できます。知合いは、友人と知人、その親戚合せて、200〜300人なのでしょう。そう仮定すればその内亡くなる方が年間 2〜3人となります。

話を戻しまして、日本で1000人中死者が3人増えると身の周りで何が起こるでしょうか。2〜3枚喪中葉書を貰っている人は、3〜4枚になるくらいの出来事です。さて 1000人中 3人増えるというのは、日本で換算すると何人増えることになるのでしょうか?

答は38万人です。図らずも西浦氏が言っていた 40万人死ぬという数値と近くなっています。つまり万が一、西浦氏のいう通り40万人亡くなったとしても、周りでバタバタ人が亡くなるなんてことは起きず、喪中ハガキ年間2〜3枚の人は 1枚貰う枚数が増えるということしか起きません。

ですから筆者は高齢者が亡くなることを止めるために若者の生活や学習環境を破壊してはいけないとずっと訴えてきました。こういった概算を、一般の方だけでなく、理系、数学に強い人、情報系の教授達ですらしなかったことがコロナ対策が過剰になってしまった原因なのでは無いでしょうか。

余談になりますが、人の寿命が一律100年というモデルで考えても、日本の年齢区分人口の概算はできます。人口1億人だとすると、毎年生まれるヒトが100万人となり、各年代、つまり 10代や20代といった年齢区分の人口が1000万人。もちろん実際にはベビーブームや少子化、そもそも高齢者ほど亡くなる確率が高いといった現実があるわけですから、単純にこうはならないのですが、それでもかなり日本の現実に近い概算になっていると思います。是非、自分で確認してみて下さい。