米国のコロナでの死者増は東京が大阪になった程度


初期のニューヨーク州と日本の状況


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日本は2020年3月のニューヨークの感染爆発でパニックになりました。情報系の大学教授もw「早く緊急事態宣言を出せ」と平気で言ってました。筆者は当初から反対していました。医療逼迫を理由にした学校閉鎖や社会活動の制限は若者の学習環境や生活を破壊し、場合によっては死に追いやるからです。

そのころの感染状況の動きも見てみましょう。グラフは横軸が時間推移で、2020年の1月から2020年3月15日までを示しています。縦軸が人口あたりの新規陽性者数を表しています。2月はまだ東京の方が多かったのですが、大阪が抜き、ニューヨークが更にその上を行くようになりました。しかし中国人観光客を受け入れていた日本で感染爆発が起きなかかったのですから、ニューヨークのように感染爆発するとは思えませんでした。


初期のニューヨークと現在の比較


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日時を2022年10月現在までにしてみましょう。ニューヨークでパニックになったときの新規陽性者数の最大値は、100万人あたり500人弱で、日本の第6波や第7波の方が高いくらいです。もちろんこれは検査数の問題はあるでしょう。しかし、インフルエンザは 1日30万人、100万人あたりなら2500人の患者が出るのですから、波が高かった第7波でようやくインフルエンザに匹敵する程度です。しかもコロナはあくまで陽性者であり無症状も含みますが、インフルエンザは有症状患者の推計です。陽性者数でパニックになるのは、他の似たような事象の数値と比較しないからとしか思えません。

2番目のグラフ、死者に関してはニューヨーク州は2020年4月、100万人中50人と突出しています。ただしその後一度もそのニューヨーク州でも他の州でもそのレベルに達したことは無いし、世界でもごく稀です。

100万人中死者50人というこの数値が多いかどうかどう判断すればよいのでしょうか。比較をせずに多いと判断する人が多くて驚きました。情報系の大学教授達も例外ではありませんでした。最終的には私も比較した結果多いとは判断しますが、それほど大変なことだとは判断しませんでした。


ニューヨーク州の全死因死者を東京と大阪と比較


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全死因死者のグラフも表示してみます。すると普段からニューヨーク州では毎日100万人当り20〜30人無くなっていることが分ります。東京も同じくらいで大阪はそれより少し多くなっています。ニューヨーク州は、普段の100万人当り20人の死者に加えて、コロナ死者50人、プラスアルファで最大で80人以上が亡くなっています。やはり多いと言えるでしょう。

しかしその時期を除くと、ニューヨーク州で全死因死者が増えているといっても、コロナ死者が多く出たときも含めて、東京や大阪と比べて人口あたり全死因死者が多くなっているということはありません。

また既に書いたことですが、年間で見れば死者が1割か2割増えている程度の出来事であり、多い国でも3割くらいです。身の回りで考えれば、1年で2〜3枚の喪中葉書を受け取っている人が多くて3〜4枚になる出来事に過ぎません。身の回りでバタバタと人が死ぬということはありません。この概算ができる人が情報リテラシーを教える立場の人達でも全然できていなかったとしか思えません。


米国の全死因死者と比較


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2010年からのグラフにしてみます。ニューヨーク州のデータが無いので米国を代りに表示します。もちろん 2010年から見れば、米国の全死因死者が2020年から増えたのは間違いありません。しかし全米4位の人口を誇るニューヨーク州を含んでいるのにも関わらず、米国での2020年4月の山は大分小さくなっており、これもニューヨーク州の死者増が特殊なことだったことを示しています。

話が逸れますが、やはりニューヨークは初期対応を間違ったのでは無いのでしょうか? 間違った対応を基準に考えて、世界がパニックになったのでは無いかと思います。

話を元に戻して、米国での全死因死者増をこのグラフで改めて表現するつするなら、元から東京と同じくらいの死者が、コロナがあって大阪と同じくらいになったといえるでしょう。

しかも米国との比較になると大阪の2022年2月の死者が突出していることも分ると思います。こちらの方が問題ではないでしょうか? 2022年の8月も夏としては多くなっていますし、2023年の1月も多くなっています。あれだけ「緊急事態宣言を出せ!」と言っていた人達は何も言いません。ほとんどの人は何も知らないし、知っている人は見て見ぬ振りをしているのでしょう。